気功との出会い
 私は、10数年前まで気功というものを否定していた「正しくは知らなかったということかも?」
ある日突然 左腕 ひじから先に痛みが生じ 医師の診察を受けることになった。
診断は 原因は判らないが 腱鞘炎ではないか?ということであった。
痛み止めの薬をいただき シップと電気機器による温熱治療を受けたが一月たっても一向に改善しない。
ある日書店で何気なく手に取った1冊の本 ぱらぱらとめくると あるページで目が釘付けになった。
「西野皓三」著「気の発見」 花輪 と書かれた呼吸法の解説図であった。
早速購入し持ち帰って 解説に従って呼吸法を練習してみた。
数週間後 いつのまにか痛みは消えていた。 何故? わからない。 
その後 気の発見という本を読んでみたが にわかには信じがたい現象が綴られていた。
それまで否定していたが、痛みが取れたことにより 否定は止めようと思った。
が、まだ肯定したわけではない。

 それから数日後、気功教室の案内に接した。
話だけ聞くつもりで参加した。 受付を済ませ 目を閉じて鏡の前で立っていると ふーっと温かい風を感じ
振り返ると 1人の男性が立っておられた。 以後彼に教えを請うことになる。
半年に渡り 小周天気功なるもの学ぶことになり 2週間に一度2時間づつ 指導を受けた。
最初は 指先に そして掌に やがて体の中を暖かいものが移動している感覚が生じるようになる。
目を閉じて イメージしたところに 気 を感じるようになった。
瞑想中に 額の奥に 紫の光を感じたのもその頃だったと思う。
勉強をはじめて数ヶ月 気のエネルギーの存在を認めるようになっていた。

 そのころ テレビでは スプーン曲げなるものが良く放映され話題になっていた。
学生の頃金属材料について学んだ経験が 物理的力なしに 金属が変形することなど
認めようが無かった。 しかし 私自身の手で スプーンが曲がってしまったのだ。
他人の所作ならトリックがあると疑うだろう。 しかし自分自身の手の上での変形は
否定しょうがなかった。 なぜか判らないが 事実スプーンは曲がっていた。
何度か試してみたが 再現性があることも確認できた。
これは、いままで自分が知らなかっただけで まだ人類が解明していない何物かが
存在するのではないか?
この時点で、物事を即座に否定することを止め  「もしかしたらあるかもしれない」
検証してから 否定・肯定を決めればよい という ごく当たり前のことに気付く。

このような経緯で気功に出会ったのだが、気功と一言でいっても多種多様
100人気功師が居れば 100通りの気功があると考えてよいと思う。
以下私が師匠から学んだ気功を基に 私なりの考え方を記したいと思う。


気とは
生命を支える
エネルギー
基本的には
        
硬気功(武道の気) 合気道・空手・剣道・柔道などの武道・・その他のスポーツ
軟気功(医療気功) 健康を維持するための体操や 心のコントロール
気の分類 先天の気 両親から受け継いだ生まれながらにして持つ気
後天の気 周囲の環境や食物 呼吸から得る気


気功の歴史

気功の歴史を話す時 「良く中国数千年の歴史を持つ」という話を聞くが 気功という文字が文献に出てくるのは、晋朝の導師許遜によって書かれた(浄明宗教録)や(小林拳秘訣)などもあるが、
一般的に(気功)という用語が用いられるようになったのは、(気功療法実践)という本が
1953年に出版されてからである。
商、周の時代の銅器に、古代人が気功をしているさまざまな姿が刻み込まれている。当時はまだ文字が発明されていない時代なので、絵によって表現されているが、古代人が生活を維持するために、気功を日常生活の中に生かしていたことが伺える。その絵の中には、疲れたときにはあくびをし、横たわり疲労を取る。寒いときには、風を避け、陽だまりに座って暖をとる。その姿も足を縮めて胴体にぴたりとつけ、両手を丹田において口を閉じ体温を逃がさないような姿勢、自然の気を吸い込む様子、姿勢を正し心を静め体調を整えている姿などがある。
この先人たちが編み出した気功を改善し、集大成されたものが今日の気功といえる。
中国の気功には、儒者,医科,導師,僧侶,武術家などの各流派が含まれ、
それぞれの流派によって呼び方が違っていた。導引,行気,玄功,静功,内行,修道,座禅,内養功,養生功などでいずれも気功の前身といえる。



気功に対する私の理解
気功を解説する書物や また気功を取り扱うマスコミが 一部の現象だけを取り上げ、あたかも不思議な現象を起すことができるとか不治の病がたちどころに治った など魔法のような誤解を与えかねない伝え方をしているのが気になる。
私の思うところを述べると、 気功とは 人間のもつ 気 をコントロールすることであり  またあまりにも便利になりすぎた生活をするようになったために失われかけた 本来持っている能力「潜在能力」を引き出す手法の一つと考える。
その手法を体系的にまとめ 誰にでも実践しやすくしたものが 「小周天気功」「大周天気功」である。これらの気功については「矢山敏彦氏の著書 気の人間学」が詳細に解説している。
昔、気功は 山奥で滝に打たれるなど 難行を積んだものだけが得ることのできる特殊な能力と思われていたが、そうではなく ある簡単なプログラムを実践することにより 誰でも身に付けることができるのである。
私も、最初10年ほどは 小周天気功  大周天気功 を学び練功を重ねた。 これは今でも間違いでなかったと確信している。
自分の体内に気を充実させ 気を巡らせ 気をコントロールするところまでは それだけでよいと思う。
しかし、外気 他の人に影響を及ぼす手法に 色々な疑問が生じることになった。 掌や指を使った気の送り方が一般的であるがそれで本当に充分な気を伝えることができるのだろうか? もっと効率の良い方法はないものかと試行錯誤する。
その過程で出会ったのが 水の氷結結晶写真であった。 この写真は、人間の意識が水の形を変えることを教えてくれた。水がエネルギーの媒体になる。 人間の身体は70%前後水分である。 この身体に含まれる水分に異常が生じると 病気という形であらわれる。 それならば 自らの意識エネルギーを他者に伝えることにより 他者の体内水分に影響を及ぼせるはずと考えた。
それをどうして伝えるのか?ということになるが よくよく考えてみると 実は日常的に使っている言葉は 意識の表れであることに気付く。何も手をかざしたパホーマンスは必要ない。 それより対象者に伝わる心のこもったお話をすればよいのだ。
この手法は 対象者が目の前にいなくても(遠隔地にいても)可能なのだ。
気功とは 肉体的トレーニングと 精神的トレーニングの融合によって 能力を高めることができる。
こうしてまだ未完成ではあるが 心の気功 「心気功」を実践している。
                                        文責:阿蘇の仙人(山本峰夫)2004年10月